フォシーガ/(ダパグリフロジン)

適応
 2型糖尿病

名前の由来
 患者のため、患者家族のため、医師のためをあらわす「for」と、inhibit glucose absorption(糖の吸収を阻害する)の頭文字「iga」を掛け合わせる(x)ことで、他の血糖降下薬にはない新たな作用であることを表現している。

血中半減期
 12-13hr

代謝
 グルクロン酸抱合

作用機序
 SGLT2の阻害

所見
 2012年10月にSGLT2阻害剤として世界で初めて2型糖尿病治療薬の承認をオーストラリアで取得した薬です。
 尿路感染や性器感染等、感染症の発現率が最も高かったようですが、それでも3.1%(31例/1012例)なので、さほど気にすることはないレベルだと思っています。

 ダパグリフロジンはグルクロン酸による抱合を受けるので、肝障害患者だとやはり血中濃度が上昇するようです。 ただ、腸管循環を受けない分、半減期は早くなるようで、中~重度の肝障害患者では血中半減期が 6 – 8hrと、一般患者の倍の速度で排泄されていました。

 フォシーガは1日1回、5mg服用を標準としていますが、効果不十分の場合には10mgまで増量可となっています。
 5mg錠の薬価が205.5円、10mg錠は308.3円となっているので、増量すると他のSGLT-2阻害薬よりも少し高めになります。
 効果不十分の場合は、切り替え可能であれば、他薬への切り替えを試したほうがお得かもしれません。

製品情報-フォシーガ
承認 2014.03.24
薬価収載 2014.05.23

シムジア(セルトリズマブ)

適応
 既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)

名前の由来
 一般名のCertolizumabのcとzを用いた造語に由来している。

血中半減期
 10-13hr

代謝
 該当資料なし

作用機序
 TNF-α との親和性が高く、 TNF-α と結合することで TNF-α 受容体との結合を減らし、以後の伝達・炎症反応を抑える。

所見
 抗体の Fab 部 に PEG をつけて血中滞留性を持たせた製剤です。
 抗体は抗原に結合後、その抗原を破壊するような細胞障害性を惹起します。シムジアは同種薬剤のレミケード(インフリキシマブ)、エンブレル(エタネルセプト)、ヒュミラ(アダムリマブ)と比べて、その細胞障害性が低いことが売りですが、一方で TNF-α に対する親和性は、 in vitro の実験では レミケード > ヒュミラ > シムジア > エンブレル という結果も出ています。
 それからシムジアは既に発生している炎症を抑えるような作用もあるみたいですね。

 そういえば、第一三共がエンブレルのバイオシミラーを作るとかニュースで見た気がしますが、製品化は出来たんでしょうか。バイオシミラーは分子量が大きいだけあって、真似するのはなかなか難しいと思いますが、リウマチ患者さんにとっては、おそらくほぼ一生付き合っていく薬になと思いますので、安価な後発品が選択できるようになったら良いなと思っています。 

製品情報-シムジア
承認 2012.12.25
薬価収載 2013.02.22