アプルウェイ/デベルザ(トホグリフロジン)

適応
 2型糖尿病

名前の由来
 アプルウェイ
 Apleway はApple(りんご)とway(道、方法)の造語で、リンゴの樹皮から抽出された物質を起源とした、
 いままでの糖尿病治療薬にはない作用機序をもつ薬剤という意味から

 デベルザ
 de beleza ポルトガル語での「美」を意味する
 エネルギー代謝全般を改善し、内面から身体本来の「Inner beauty」を取り戻すことを期待できる薬剤であることから

血中半減期
 4-6hr

代謝
 CYP2C18, CYP3A4, CYP3A5, CYP2C18、CYP4A11, CYP4F3B
 などのCYP系による代謝とグルクロン酸抱合

作用機序
 SGLT2の阻害

所見
 最近承認されたSGLT-2阻害薬は、リンゴや梨の樹皮から見つかった「グリフロジン」という物質に、SGLT阻害作用が見出されて薬剤化された医薬品です。

 トホグリフロジンの開発は、中外、サノフィ、興和の3社による共同開発が実施され、サノフィと興和から、それぞれ販売されました。
 同じ成分で2つの名前を持つ薬剤は、分かりづらくてあまり好きではないですね・・・。個人的には、名前に発祥場所を入れたサノフィの命名に軍配を上げたいところです。

 さて、見出されたのが1980年代らしいので、30年ほどの期間を経て、市場に出てきています。この薬に限ったことではなく、やはり市場に出るまでにはかなり時間がかかります。新薬開発も難しくなっているので、まだまだ製薬会社の再編は進むかなと思っています。

 トホグリフロジンはCYP系による代謝を受けているので、肝障害患者だとやはり血中濃度が上昇するようです。 ただ、承認用量の倍量である 40mg を服用されていた試験でも、副作用の傾向にほとんど差はないようでしたので、それほど気にしなくてよいのかなと思います。スーグラ同様のSGLT2阻害薬なので、そもそも腎不全でグルコースを尿中へ排泄できない人には効果のない薬剤になります。

 スーグラでは見られなかった副作用として「血中ケトン体上昇」が11.5%(117例/1060例)の方に出ているのが少し気になります。
 糖がエネルギーとして利用できない場合、脂肪を分解してケトン体をエネルギー源としますので、尿中グルコースの再吸収阻害だけでなく、血中グルコースの体内吸収までもが阻害されてしまっているのかなと考えています。ケトアシドーシスの副作用は報告されていなかったようですが、他の薬との併用状況によっては起こりやすい状況にあります。

 それ以外は1日1回朝服用、薬価も同じで、スーグラとあんまり変わらないのかなと思います。
 市販直後調査の結果待ちです。

製品情報-アプルウェイ
製品情報-デベルザ
承認 2014.03.24
薬価収載 2014.05.23

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